福井県 いちほまれ

視察二日目は永平寺町へ、先ずは永平寺を参拝しました。冬の修業は寒く大変だろうなと思いながら七堂伽藍を見学。そしてJA永平寺にて「れんげ米」の取り組みついて伺いました。れんげ農法とは春に花を咲かせたれんげ草を鋤き込んで肥料とする農法です。れんげ草は空気中の窒素を根に取り込んで溜めるので肥料の役割をしてくるそうです。そのため化学肥料は使用していない無化学肥料栽培で農薬も使用しない安心安全な栽培方法です。

種子消毒も微生物を使用し、育苗もビニールハウスをしないプール育苗で病気に強い苗を育てています。田植え後の最大の難作業が除草。除草剤を使用しないので機械と手取りで行います。色彩選別機の導入により収穫後の品質の向上と安定化に努めています。このお米が学校給食にも使われるそうで羨ましい限りです。

 


福井県農業試験場から鯖江市へ移動して「さばえ菜花米」というブランド名でお米を生産している『エコファーム舟枝』へ。瀬戸川理事長から取り組みについて説明を受け、PVで映像による紹介。菜花米に取り組んだ理由の第一が黄色で目立つから、だそうです。菜の花が満開になる3月下旬から4月上旬は黄色一面、家族連れも多く訪れ地域の活性化に繋がっているとのこと。その菜の花を緑肥として田んぼに鋤き込み化学肥料の使用を減らすことに繋がっています。写真中央に見えるのが乾燥・選別作業の施設です。現在、北陸新幹線の工事を行っており、車窓から一面黄色い菜花が見えて相乗効果もありそうです。

(ただ、田んぼも分断されたそうですが)

 


坂井市の直播栽培の田島生産組合へ。

播種日5月5日で湛水直播の特栽米圃場の様子です。この隣に肥料を変えたエコ栽培の田んぼが葉色が少しずつ違うのがわかりました。苗作りの作業軽減ができるのが大きな特徴です。

この地域は九頭竜川からパイプラインで直接農業用水を引いていて水温が低いため夜温の高い時など威力発揮し食味向上に役立っているそうです。

九頭竜川のパイプラインは平成11年~30年の工期で鳴鹿大堰から55kmにも及びます。タイマー付き多機能給水栓設置などにより水管理労力が約半分になり、ごみや生活排水の混ざらない用水を確保できる、ICTを活用した水利システムなど先進的な取り組みを展開中です。